SDGsへの取り組み①~フードロスの削減~
2015年9月、ニューヨークの国連本部にて採択された17の持続可能な発展目標の達成期限まであと8年となりました。わたしたちべにや無何有は加賀・山代温泉の小さな旅館ではありますが、「誰ひとり取り残さない」という基本理念に賛同し、社会的責任を果たすべく、日々の業務の見直しを進めています。
今回は、食品ロスの削減に向けた取り組みを紹介いたします。
べにや無何有の調理場では、角博昭料理長のもと、多くのスタッフが毎日たくさんの食材を調理していますが、冷蔵庫をのぞいてみると、中が食材でいっぱいということがありません。旅館ですから、ときには急なチェックインのお客様もいらっしゃいますし、アレルギーなどがおありの方には献立を変更しないといけません。ですから、こういった事態に対処する最低限の食材は仕入れていますが、可能なかぎり取り置きはしないことにしています。入荷量を適切に抑えることが、食材ロス削減への第一歩になります。
べにや無何有は100年近い歴史の中で、いつも地元の歴史、文化、そして人とのつながりを大切にしてきました。長い時間をかけてつちかってきた信頼を前提として、地元の農業生産者および漁業関係者、そして流通業者と緊密に連携することではじめて、「いつもいっぱいではない冷蔵庫」が実現できるのです。
2015年に全会一致で採択されたアジェンダの前文に指摘されていますが、17のゴールと169のターゲットは相互に関連しており、どれか一つの追求が遂には全体につながり、経済、社会、環境の三側面が調和の内に統合される、そんなプロジェクトとしてSDGsは企図されています。
たとえば、今回紹介した事例は、17のゴールの内、
2「飢餓をゼロに」
・小規模食糧生産者の生産性および所得を増やす
・持続可能な食糧生産システムを確保する
というターゲットに繋がります。
あるいは、
12「つくる責任つかう責任(持続可能な生産消費形態を確保する)」
・2030年までに小売・消費レベルにおける一人当たりの食料の廃棄を半減させ、生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる
・持続可能な開発、自然と調和したライフスタイルの意識と実践
・雇用創出、地方の文化振興につながる持続可能な観光
14「海の豊かさを守る」
・持続可能な開発のために海洋資源を保全し持続可能な形で利用する
15「陸の豊かさを守る」
・陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進
といった目標にもつながります。
各企業は包括的な視点をもって取り組むことが求められています。べにや無何有も、地元のステークホルダーと共に、地域の社会、経済、文化を守る責任を果たしていきます。